マルチ商法の集会に行ってみた話(連れてかれたんすけどね)その5
最前列で嫌がらせとばかりに新聞をガサガサやりながら、うんざり顔でいるアタクシですが、なんとか1時間半くらいで休憩時間に入りました。
やれやれ、やっと終わったとホッとするアタクシにツカツカと歩み寄ってくる一人の修羅がいました。
そうです。Aさんです。
Aさん「・・・ちょっと、お茶のみ行こうか?」
アタクシ「・・・はいはい(しまった!この人のこと忘れてた)」
休憩時間を利用してラウンジに移動します。
周りにはマルチのチームと思われる人々がその日のターゲットをどう落そうかと
ひそひそ打ち合わせをしております。
Aさん怖い顔をして黙りこんでます。
コーヒーが運ばれてきました。
ウエイトレスが言ったとたんAさんが口を開きました。
Aさん「オマエ!!!あの態度はなんなわけ?一番前でだらしない恰好で扇子パタパタ、新聞ガサガサ!これじゃ、オマエを連れてきた俺の面目たたないよ!?」
アタクシ「いや面目ない。ただお言葉ですがね、アタシャこういう人間だってことご存知でしょ?だから今まで断ってきたじゃないですか。Aさんは付き合ってて楽しいけどマルチ連中はキライだから絶対ケンカになりますよって伝えてましたよね?」
Aさん「・・・・。それにしたってあの態度はひどい!この集会は参加費5千円かかるところをオマエのためを思って俺が払ってたんだぞ!一番いい席に案内して、もっと素直に人の行為を受けられないのか?先入観をとっぱらって、まずは素直に聞くもんだ!オマエの目は曇ってる!」
アタクシ「ええ、確かに態度は問題ありましたと思いますよ。ですから申し訳ないと思ってます。ただね!それとマルチに洗脳されろってのは話が別ですよ。アタシは絶対お目目キラキラで自分の頭で考えない連中になりたくないんですよ。どうせマルチやるなら大元締めやりますよ。あんな意地汚い金金かねのヤカラに貢いでられるほどおめでたくないんですよ!」
Aさん「それはオマエが構えてるからそう感じるんだ!まずはすべてを受け入れろ!」
アタクシ「むちゃいうな!!」
さっきの集会前半でアタクシもトサカにきてますんで、売り言葉に買い言葉。
実りのない平行線な会話が続きます。
言いたいことを言いあってお互い疲れて、多少落着きを取り戻してきました。
まだ集会の後半も残ってますが
アタクシ「とりあえず、もういてもしょうがないから帰りますよ。参加費5千円は置いてきます。」
Aさん「そんなもんいいよ、もう。オマエには失望した。」
アタクシ「Aさんが私との付き合いを断つというなら仕方がないですよ。友達としては付き合っていきたいけど、毎度毎度マルチ話でケンカするのもくたびれるし。夕方の花火はどうしましょう?」
Aさん「・・・。まあ好きにしてくれ。」
アタクシ「・・・じゃあ行ってもイインですね!!ワーイ!!お詫びにシャンパン買っていきますから!」
現金な男である私は大喜び。
私は尊大に見られがちで、かつ偉そうなヤツバラが大嫌いな人間なんでさまざまなシーンで軋轢を生じさせるのですが、それでも割と目上の人に目をかけられることが多いのは素直でかわいいところがあるからだそうです。
その長所を最大限に生かし、花火大会に胸をふくらませ、鼻の穴もふくらませ、帰路に着きます。
Aさんに悪いことしちゃったなあ。帰りにデパ地下でピンドン買ってこう。エヘヘ。
こうして私の最初で最後のマルチ商法集会は終わったのでした。
明日へ続く。