行政書士田中建太郎が生まれてから⑨
ちなみにですが、ここまで読んで行政書士って儲からないんだろうなあってお感じかもしれませんが、この時も、「売上が安定しない」というだけで別に売上が低いわけではないんですよ。
月に100万円入ってくる月もあれば、0円の月もあるってだけで年間でならせば、まあ一人でやってる自営業としてはぼちぼち。
同世代のサラリーマンに遜色ないくらいは稼げるはずなんですが、私みたいにだらしがない人間ですと、100万入ってきた月なんかに、ずっと100万続くもんだと思って散財しちゃうんですね。
お客様の経営するお店に飲みに行ったりしてね。
売上が多いと所得が増えます。そうすると所得税・住民税も増えちゃうから、それならお客様と飲みに行って使っちゃおうみたいな浅はかな考え方してました、若いころ(笑)
そんで飲んで使っちゃったときに、翌月の売上がなくなると困り果てるわけです。
宵越しの銭は持たねえ江戸っ子気質と言えば、聞こえはいいですが、商売人、経営者としてはダメダメですね。倹約大切。
いまなら商売人はそうであってはダメだとわかるんですが、当時は若くて甘ちゃんでしたし、まだまだサラリーマン気質が抜けていなかったんですね。
しかし、面白いもんでそうやって飲んで使ってしまったお金も後で生きてくるもんで、こうした飲みの場で知り合った一つ年下の美容師のTくん。
彼と仲良くなりまして、髪切ってもらったり、一緒に遊んだりしていたところ、彼が独立して美容室を始めたいんだけど、お金のこととか経営がまったくわからないから手伝ってくれないかとの依頼が。
そうか、それなら顧問契約で月いくらって形かな。ありがたいお申し出です。とニコニコしておりましたら独立資金も足りないから出資してくれよという話。
なるほど、ノーリスクハイリターンのうまい話はないですな。
出資するなら、儲かるビジネスでないと話にならない。ビジネスモデルを尋ねてみますとこれがなかなかうまくいきそうな話。
昨日の記事でも書きましたが、行政書士事務所一本独鈷ではどうもなあと考えていた時でもありましたので、清水の舞台から飛び降りるつもりでえいやっと出資してみました。
明日へ続く。