行政書士田中建太郎が生まれるまで㉗
ということで、無事に会社を辞めることが決まり、両親の理解もなんとか取付まして、いよいよ行政書士事務所を設立していこうという24歳のワタクシです。
さて、次なるハードルは住まいと事務所です。
行政書士登録の為には事務所を置かねばなりませんが、当初はお金が無いので自宅兼事務所として始めることが多いです。
私もご多分にもれず、自宅兼事務所として開業しようとしたのですが前職時代、私は会社の社宅に入っておりましたので辞職と同時に転出せねばなりません。最初は実家で甘えさせていただこうかと思っていたのですがこれには父が反対。
「最初から親をアテにする根性ではやっていけないゾ!」
それもそうだと得心するとともに、実家は千葉県の奥の方ですから行政書士事務所としての商圏(マーケット)が小さいんじゃないかとも思い東京で開業しようと考えました。
そして事務所として使えるアパート探しをしようとしていたのですが、そこに知人の紹介で、転貸借でよければ使ってくれてかまわないという素晴らしい天の声が。
話を聞いてみると
天の声「家賃は月々5万でいいよ、転貸借だから敷金礼金仲介手数料もいらない。大家さんもOKだから」
なんと渡りに船でしょうか
私は本当に幸運だ、とさっそく物件を見に行くとそこには築30年以上と思われる3階建てのかしげたアパート物件でした。当然トイレは和式、風呂はなし。
やはりうまい話はないなあと思いつつも、先立つお金のない私は初期投資は少しでも抑えたいということで、こちらにお世話になることにしました。
といっても風呂がないのは厳しいのでとりあえず最初は事務所専用として実家から通ってたんですけどね。
そうこうして、事務所の開業準備をしている最中に、ある日警察が訪ねてきました。
警察「こんにちは。わたくし■■署の××と申しますが」
私「こんにちは。おつとめ御苦労様です」
警察「こちらに住んでいる○○(天の声の人)さんは今日はいらっしゃいませんか?というかあなたはどちらさま?」
私「私はこれこれこういう者で行政書士登録申請中です。○○さんからここを借り受けまして」
するとその話を聞いたお巡りさんの顔の曇っていくこと。。。
警察「そうですか・・・。実はね、○○さんは、とある事件の重要参考人なんです。そして彼は生活保護受給者なのですが、そのためにはこのアパートに居住していることが必要なんです。このままではあなたも不正受給の共同従犯になりますよ。○○は指定暴力団の構成員です。」
私「ェェェエェエエエエエ!!!なんですとー!!!」
明日へ続く。