行政書士田中建太郎が生まれるまで㉖
ということで、若人たちが立ち上げたベンチャー企業の洗礼を受けた私。
朝からテレアポしてアポをとり、営業に回ります。成績が足りなければ夜中に飛び込みローラー営業で飲食店、スナックなどをまわります。
土曜はチラシ配りをするという、今振り返るとかなりのブラック企業ではございましたが、独立自営を目指す私は起業家精神というものを学ばせてもらいました。
行政書士として独立するのに私がもっとも心配だったのは営業経験がないことでした。
ですので営業のエッセンスを学ぶのに必死でなんでもやりましたため、結果として2か月間の間に開かれた営業コンテストの成績を首位で終わることができました。
この営業コンテスト経験は、独立にあたりとても自信になりました。
こうして、2ヶ月間の出向も終わり、もといた会社に復帰した私は、ベンチャーに比べてどうしても停滞気味に思えるサラリーマン職を続けていくことはできません。独立したくてたまりません。しかし独立したら毎月必ずもらえるお給料というものはありません。すべて自分の才覚で稼いでいかないといけません。
なかなかふんぎりがつかずにあーでもないこーでもないと思い悩む私。
ある日、ファミレスで酒も飲まずKさんに3時間くらい相談にのってもらいました。
なかなか勇気の出ない私にKさんは一言
Kさん「たとえ失敗しても命が取られるわけでもなし、大借金を抱える商売でもなしダメならサラリーマンに戻ればいいじゃないですか」
私「なるほどー!そりゃそうですね!」(単純)
私はついに決心します。
直後、辞職願を申し出たのです。2003年9月のことです。
当時の上司は親身に慰留してくれました。
曰く、せめて冬のボーナス出るまで待て、3年いれば退職金でるから(あと半年)それまで待てなどいろいろ言われました。
しかし、頑固な私はこうと決めたら動きません。
また、受験同期の行政書士仲間がみな第一線で活躍しているのをみるといてもたってもいられません。
田中「今まで会社にお世話になっておきながらたった2年半で辞職するのは大変心苦しく思います。しかし、どうしても独立して自分の力を試したいのです。どうかお願いします。」
上司「・・・そうか、わかった。そこまで言うならしかたないな」
ということで無事に会社を退職することができました。
明日へ続く。