行政書士田中建太郎が生まれるまで⑰
さて、カバチタレを見て初めてこれは資格商法という悪質商法だと気づきましたバカな大学生のワタクシです。
ちょっと書きながらいろいろ思い出してきたら、だいぶあいまいな記憶で書いておりましたため、話がずいぶんと違ったんでもう一度経緯を整理して書きますね。
行政書士試験の勉強がはかどらず、困っておりましたワタクシのところに、一本の電話が参りましたところからです。
「田中さん、こちらは㈱○○と申しまして、ただいま行政書士の資格を取っていただいて、当社でお仕事をしていただく人を探しています」
「当社の教材は試験委員から流出した問題を基に作られていますので問題と解答を丸暗記できればほぼ100%の方が合格します」
「運転免許の裏講習みたいなものなんです」
「そして合格されたアカツキには毎月10万円程度のお仕事を紹介してやっていただきます。がんばれば毎月50万円くらいは稼げますよー♪」
甘い言葉にはご用心。
今の私には、すぐに悪徳商法(正確には業務提供誘引資格商法)だと判断できますが、20歳になったばかりの私に、そんな世知辛い知識はありません。
こいつはなんとも好都合、大して勉強せずに資格が取れて、そのあと儲かるならサイコーじゃんとばかり、飛びついたのでした。。。
さて、そんな電話の2日後、さっそく申込書が届きました。
その申込書というのは、教材購入ローン契約書で1回1万円で60回払いの契約でした。
しかし、こないだの電話では、試験に合格すれば祝い金が50万円一括で払われるとのことでしたし、残りの10万円も仕事ですぐに回収できるとのことでしたので、私は深く考えず連帯保証人の欄に勝手に父親の名前を書き、返送してしまったのです。
ちなみにこの契約書はあやしさ満点でした。
ローン契約書は1枚目がお客様控え(私保管)
2枚目、3枚目が業者控えとローン会社控えで複写式というのが多いですが
1枚目のお客様控えの連帯保証人の欄が二重線で消されて、「参考人」と手書きで修正されてました。
ところが、2枚目、3枚目には複写されてません。
これは、いかにアホな学生でも、連帯保証人の怖さは知ってるかもしれない。
なので、1枚目は参考人と手書きで修正してしまって、安心させておいて、業者控えとローン会社控えにはそのまま連帯保証人となっているものを返送させれば、連帯保証はさせられる。
ですので「とりあえず参考人の欄には父親の名前を記載してください。」と付箋で貼ってあります。
みごとなまでにアホな私も2枚目、3枚目を確認することなく、参考人だから大丈夫だろと思って返送しました。(アホです。みなさんも契約書はよく確認しましょう)
そしてポストに投函したその足で、たまたまコンビニでカバチタレを立ち読みしていたところ、ちょうど悪徳商法の解説ページみたいなのが載っていました。
そこに書いてある手口は、なんとまるまる今回の私の契約と一緒の業務提供誘引資格商法でした・・・。
青ざめた私はすぐにポストに戻り、一生懸命手を入れるのですが、そんなことでは回収できっこありません。
慌てて、カバチタレに対策として載っていたクーリングオフの書面を書き始めるのですが、敵もさる者。申込書の申し込み日はすでに、9日前の日付になっており、クーリングオフ期間は過ぎています。(参考人と同じく手書きで最初から書かれていました)
しかし、このからくりがわかったからには60万のローンなんて払っていられません。
この商法は、仕事を紹介しますと甘い言葉で誘って(業務提供誘引)馬鹿に高い商材(行政書士受験テキスト)をローンで契約させて合格しても、仕事は紹介しない。それ以前に試験委員からの問題流出などありえず、そもそも合格するかどうかもわからないというものです。
契約書上は業務提供などおくびにも出さず、単なるテキストのローン購入契約書ですから、話が違うと訴えても、「うちは仕事を紹介するなんて言ってないですよ!おたくはただ教材買っただけでしょう。出るとこ出てもイインダヨ」
てな感じの悪徳商法なんですね。
さて、申込書はもう送ってしまったし、ローン契約書の連帯保証人は父になってますので、踏み倒そうにも父に請求がいってしまいます。
ちょうど20歳になったばかりなので、未成年者の契約取り消し権も使えなければクーリングオフも期間を過ぎてしまってます。
これは困った。学生にとって60万円は大金です。勉強どころではありません。
明日に続く。