行政書士田中建太郎が生まれるまで⑮
「裏講習?知ってますよ。府中に原付の免許とりにいったときに、ばあちゃんに勧誘されて受けてみました。あれは確かにその日に出題される問題と答えをそのままヘッドフォンで聞かされてましたね。
なるほど、行政書士資格試験にもそんな裏技があるんですねえ」
「そうなんですよ、田中さま、話が早い。ただこちらは60万円ほどの費用が掛かりますが、合格していただけましたらご紹介するお仕事をやっていただければその費用もすぐに回収できる見込みですので実質タダで行政書士資格が取れるということになるんですね」
さすがは私はツイてる男ですよ。
行政書士試験を受験勉強しようとしてうまくいかないと思ったら、こんなにいい話が舞い降りてくるなんて。
さっそく資料を送ってくださいと伝えて、ウキウキしながら申込書が到着するのを待ちます。
そして申込書が到着しました。
さっそく開いてみると3枚複写の申込書です。
1枚目が本人控え、2枚目が信販会社控え(ローン契約ですね)、3枚目が先方の会社控えとなっております。
さて1枚目、2枚目、3枚目には「連帯保証人」という欄がありますが、なぜか1枚目だけ「連帯保証人」という文字を二重線で消されておりまして、「参考人」となっております。
こちらはいったいなんじゃいな?と電話をして聞いてみると、「参考人は参考にするだけなんでお父さんのお名前でも書いておいてください」とのこと。
でも二枚目以降は「連帯保証人」のままなので、複写の1枚目の参考人に父の名前を書くと、2枚目の信販会社控え、3枚目の先方会社控えは「連帯保証人」の欄に父親の名前が書いてあることになります。
それでもバカ者のワタクシは気づきません、とりあえず言われるがまま、申込書の連帯保証人(手元に残る本人控えでは参考人)に父の名前を書いて返送してしまいます。
これで行政書士資格は手に入ったも同然だ~♪
なんて鼻歌まじりの生活を送るのでした。
明日へ続く。