建設工事の完成を請け負うことを事業として行うには、建設業法第3条に基づき建設業の許可を受けなければなりません。(ただし請負金額が500万円未満の軽微な工事を除く)

1.大臣許可と知事許可

 複数の都道府県にまたがって建設業の営業所を複数設置する場合には国土交通大臣許可を、一つの都道府県内にしか営業所がない場合には都道府県知事許可になります。なお「営業所」とは、本店または支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいいます。また、これら以外であっても、他の営業所に対して請負契約に関する指導監督を行うなど、建設業に係る営業に実質的に関与する場合も、ここでいう営業所になります。ただし、単に登記上本店とされているだけで、実際には建設業に関する営業を行わない店舗や、建設業とは無関係な支店、営業所等は、ここでいう営業所には該当しません。大臣許可と知事許可の別は、営業所の所在地で区分されるものであり、営業し得る区域または建設工事を施工し得る区域に制限はありません。(→例えば、東京都知事の業者であっても建設工事の施工は全国どこでも行うことが可能です。)
      

2.一般建設業と特定建設業

 建設業の許可は、下請契約の規模等により「一般建設業」と「特定建設業」の別に区分して行います。 この区分は、発注者から直接請け負う工事1件につき、4,000万円(建築工事業の場合は6,000万円)以上となる下請契約を締結するか否かで区分されます。
      

3.工事業種ごとの許可

実際に許可を取得するにあたっては、営業しようとする業種ごとに取得する必要がありますが、同時に2つ以上の業種の許可を取得することもできますし、また、現在取得している許可業種とは別の業種について追加して取得することもできます。建設工事の種類、工事内容及び許可業種の分類については、下記の表をご覧下さい。

建設業許可の工事業種

4.許可の有効期間

 建設業の許可の有効期間は、5年間です。このため、5年ごとに更新を受けなければ許可は失効します。なお、この更新の申請は、従前の許可の有効期間が満了する30日前までに更新の申請を行うことが必要です。

5.許可の要件

 人的要件としては、①建設業の経営業務の管理責任者②専任技術者が、それぞれ営業所に1人以上専任で常勤で存在しないといけません。なお①の経営業務の管理責任者は、建設業の経営の経験が5年以上あるか、建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る)として経営業務を管理した経験を有する者であるか、あるいは建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者である必要があります。または常勤役員等に一定の経験があり、かつ、一定の経験を満たす補佐者を置くことでも可能な場合がありますが、補佐者が要件を満たせる稼働事前に許可行政庁へ相談する必要があります。

 また②専任技術者の資格は、一般的には、営業する工事業種の実務経験が10年以上(該当する学歴を持つ場合には3年以上)あるいは、営業する工事業種に対応する国家資格を持つ必要があります。(他にも該当する場合もありますのでご相談いただければ対応させていただきます。)

 ほかにも財産要件として一般建設業の場合には純資産で500万円以上など、特定建設業は純資産が4000万円以上かつ資本金額2000万円以上かつ流動比率が75%以上でありさらに欠損金額が資本金額の20%を超えないなど厳格な要件が定められています。

欠格要件もありますので、一度詳しくヒアリングさせていただいたうえで、立証資料を精査して許可が可能か判断することになります。