行政書士田中建太郎が生まれるまで㉒

社会人生活がいよいよ始まりまして、松本営業所に配属されたワタクシと同期の新卒たちは、某メーカーの工場で現場実習をすることとなりましたが、その現場は一般企業とは異なるものでした。

 

というのも、その現場はクリーンルーム用の防塵服をクリーニングする部門なのですが、働く作業者がみんな障碍者だったんですね。

いまは障害者雇用促進法という法律がありますが、当時はなかったんですが社会貢献活動のためか一定規模以上の企業では障碍者を雇用していたようでして、その防塵服のクリーニング部門では、軽度の知的障碍者が10名以上働いているのでした。

 

もちろんマネージャークラスは、健常者なのですが、作業者は知的障碍者というクリーニング屋さんです。

 

私はそこで初めて知的障碍者と一緒に過ごすことになるんですが、一口に知的障碍者といっても性格も知能レベルもそれぞれです。

やたらと惚れっぽい女の子がいるかと思えば、恋バナが大好きな女の子もおりますし、そういう子たちに恋してる男の子もおります。

 

気にくわないと殴りかかってきた男の子もいますし、ひたすらおだやかな男の子もいます。

 

半年ほどそのクリーニング工場で現場実習をしておりましたが、いろいろな経験をさせていただきました。

 

飛行機がすごく好きな男の子がいて、休みの日に松本空港で飛行機視たいっていうから車で連れてってあげたんですよね。

そしたらその派遣先の部門長からすごい叱られまして、事故でも起きたら責任とれるのか?勝手なことするな!て叱られまして、こちらとしてはよかれと思ってやったことでしたから、反発して食って掛かったりしましたね。

 

社会人になってからそれなりの歳月を過ごした40歳のいまならば、部門長の言い分も立場も理解できる部分はあるんですが(サラリーマンの保身もたぶんに見え隠れしてますけど)「連れてってね、約束だよ」と約束したからそれを守っただけなのに、そんなのは時間たてば忘れるんだからその場だけハイハイ聞きながしておけばいいんだよと言われたときにはカチンときましたね。

お前は一緒に働く仲間を知的障碍者だからとバカにしとるんじゃないのか?と感じたんですね。

 

とはいえ、行為能力がなくて、親御さんから預かっている障碍者の従業員を、業務時間外に派遣スタッフが連れまわして事故でも起きたらめんどくさいことになることもわかるんで、こういうときは難しいですね。

 

どんな相手だろうとも約束したからには約束を守るのか、あるいは組織秩序の維持のために節を曲げて約束を破るのか。

筋を通さないことが嫌いなのは昔からです。

 

そんな現場実習が終わり、冬を迎えるころには本社に戻ることになるのでした。

 

明日へ続く。

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